季節とともに魚の旬も移り変わっていきます。これからの時期に旬を迎える魚にはオコゼがあります。
オコゼは、その味の良さから「夏のフグ」ともよばれるほどの高級魚で、主に刺身や煮付け、汁物などにして食べられている人気の魚です。オコゼとはオニオコゼ科、ハオコゼ科の総称のことですが、一般には食用にされるオニオコゼのことを指します。
漢字でオコゼは「虎魚」、オニオコゼは「鬼虎魚」と書きます。名前のイメージ通り頭はひどくでこぼこしていて、鬼のような面構えです。その姿の醜さから、昔、山の奥深くに入る猟師のあいだでは、干した物が魔除けとして利用されていたそうです。
オコゼが恐ろしいのはその姿だけではありません。背びれには毒をもっていて、刺されてしまうと激痛が走り、ひどく腫れてしまいます。特にオコゼの中でもオニダルマオコゼという魚に刺されると、人間でも10分以内に死に至ることさえあるといいます。
オコゼは意外と浅い海にもいて、背びれにある毒のとげは、スキューバダイビングで使用するマリンスーツを突き抜けることもあり大変危険なのです。
食卓では歓迎しても海の中では出会いたくない魚ですね。
お天気豆知識(2025年05月17日(土))


魚には毒をもつことで身を守っているものがいます。
オニオコゼは背びれにあるとげから毒を分泌します。釣り針や網にかかったものを引きあげたときなどにとげが刺さる事故が多いので、針などから外す際にはひれに十分注意しましょう。
ほかにも毒をもった危険な魚にはアカエイというものもいます。大きいものは体長が1メートルを超え、尾びれについたとげに毒をしのばせています。波の穏やかな浜や干潟の海底で砂に潜っていることがあり、気付かずに踏んでしまうと尾びれを立ててとげを刺してきます。
また、フグの仲間のハコフグは体の表面から毒を分泌しますが、それをより効果的なものにするために、自分が毒をもっていることに気付いてもらいやすいよう体が目立つ色彩になっています。さらに体の表面が硬くなっていることも身を守るためには有効に働いています。
フグにはほかにも水を飲んで体を膨らませたり、体を覆う針を立てることで身を守るものもいます。
このように、魚は身を守るために様々な特徴を備えているのです。